一般財団法人 野萩青少年育成財団

食餌法と現代栄養学

先行公開・2026年10月11日

第5回 平・中と、昇降・散収

平・中と、昇降・散収

熱

温と比べて熱の側を強く表す寒熱分類の語として、他の養生文献に登場する。S06は生のにんにくを熱、火を通したものを温と記す。張氏の温涼の二分法に数値で対応させず、出典と加工状態を伴って読む。〔S06 PDF165・176頁〕

平

張氏は、温涼など該当する軸の両側の性質を持たない場合を平と説明する。温涼の平、燥潤の平、補瀉の平は、軸名を伴って読む。どんな人にも適するという意味ではない。他著者が用いる平との語義の一致も自動的には決めない。

中

張氏は、補瀉や燥潤の両側の性質を持つ場合を中と説明し、両方を持たない平と区別する。すいかの燥潤では時間経過の違いが説明される。温涼の中は設けないというS08の整理もあるため、異なる軸や他著者の表記を混ぜない。

昇

S04などの昇降軸の語。浮昇・沈降という作用の方向を、温涼・補瀉・燥潤とは別に扱う。昇を温、降を涼へ自動変換しない。本書では原典に明示された食材だけに付記する。

降

昇降軸のうち沈降の方向を示す語としてS04に登場する。単に血圧を下げる、気分を落ち着かせる等の一効果だけに翻訳せず、その食材の原文の用途と合わせて読む。

散

散収軸の発散に関する分類。汗や尿など具体的な対象を原文で確かめ、燥や瀉と同一の記号にしない。

収

散収軸の収斂に関する分類。原著が述べる対象と部位を伴って読む。補の別名とはせず、果肉と果皮などの違いも残す。

主な参照:S08 PDF23–27頁。昇降・散収はS04の食材各論(みかん、竜眼、蓮の実、魚介等)で確認する。各論にない軸を他の食品から類推して付けない。

加工後の性質を読む際に

加工前の分類と、加工後に原著が述べた分類を対にする。分類自体が再提示されていない場合は、調理法の評価があっても全軸が確定したことにはしない。平と中を同一の「中性」にまとめない。

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