神道と日本の記事一覧

大和心

第58回 三種の神器-11

著者:小山一夫 / 公開日:2022-04-08

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

熱田神宮のご神体については、18世紀に書かれた「玉籤集(ぎょくせんしゅう)」の裏書に詳しい実見の記録があります。

当時の大宮司以下数人の神職が密かに見た時の記録ですが、後に大宮司は流罪になり、他の神職たちも一人を除き全員が重病悪病で死亡したといいます。

宮中の形代は熱田神宮の神剣以上に災難に見舞われます。1185年には壇ノ浦の戦いに際して幼い安徳天皇の入水に伴って水没し、必死の捜索にもかかわらず喪失の憂き目にあうのです。

その後しばらく経って伊勢神宮から奉納された神剣を形代とすることになりました。そして偽造事件などを経て、1443年には後南朝勢力により奪われましたが翌日に発見。1839年にも盗難にあいますがすぐに回収されました。

ここで注目したいのは、神罰と思われるようなケースが散見されることです。しかし神道の神は「造化の神(大自然のエネルギー・法則)」なので、怒りによって神罰を与えるようなことはありません。

草薙剣の場合も、その祀り方が十分でなかったことで神威が発揮されず、様々なところで歪みが生じました。そこで神意に従って正しく祀ることで本来の神の働きを復活させようとしたわけです。

また、ご神体を実見するのは、神職ら本人にとっても神への不敬ということで大きな心痛をもたらしたことでしょう。それが重病に繋がっていったのだと思います。