平成から新たな元号「令和」へ。
今回は譲位による新元号ということで祝賀ムードで迎えられましたが、その選定については前例に倣って内閣が担当しました。しかしながら「明治」の元号が今と全く違う方法で選定されたことはあまり知られていません。
明治神宮の公式サイトによれば
「慶応4年(明治元年)9月7日の夜、宮中賢所において、その選ばれた元号の候補の中から、明治天皇御自らくじを引いて御選出されました。」とあります。
「くじ引き」と聞いて驚かれた方も少なくないと思いますが、これはむしろ古式に則った方法でした。
記紀によれば、神代もそして神武天皇以降も、重要な問題についてはしばしば神意つまり神託により意思決定されてきました。
その手段を「太占(ふとまに)」といいます。
「フト」とは言霊的には「霊交(ヒト)」つまり神との交わりを、そして「マニ」は「マネブ」を意味します。意訳すれば、神意に学ぶということです。
元号とは、新たな時代を象徴する言葉であり、後日、天皇の諡号(しごう)ともなるので、その選定は古来、極めて厳格に行われてきました。
ただ明治までは、天皇の即位中に何度も改元が行われたこともあります。天災や疫病で大きな被害を受けた後などですが、改元をすることで国の祓いを願われたのでしょう。
天皇一代に元号一つという一世一元の制が適用されたのは「明治」からなので、あらゆる意味で、より慎重に選定されたはずです。
そこで「くじ引き」という話に戻りますが、これは宮中賢所でなされたというところに重要な意味があります。
宮中賢所とは、三種の神器のひとつである八咫鏡を祀る皇居内の神殿のこと。つまりそこで、天照大御神に次の時代の元号を選んで頂くための「太占」が行われたわけです。
有識者や政治家ではなく、神ご自身が選定された元号が「明治」なのです。