
明治15年の御製
昔より ながれたえせぬ 五十鈴川
なほ萬代も すまむとぞ思ふ
こちらは「河水久澄」と題されています。
昔より流れの絶えない五十鈴川に思いを寄せ、なお永久に澄透っていてほしい、という御製です。
これが詠まれた明治15年がどのような年であったか、それを知っているならば、明治天皇の思いをより深く受け止めることができるでしょう。
明治14年、勅裁により伊勢・出雲の祭神論争に決着がつきます。
この論争は明治元年の「五箇条の御誓文」「神仏判然令」、2年の神祇官の復活、3年の「大教宣布詔」等が背景にあります。
神仏判然令による神仏習合の否定により、神道の国教化が図られますが、神祇省内部の国学者間の路線対立の為、伊勢派と出雲派に神道界が二分されてしまいました。これは神道の根幹に関わる論争であったため、学者間でも決着がつかず、最終的な判断を勅裁に委ねることになったのです。
明治天皇は恐らく相当悩まれたことと思います。
なぜなら天津神と国津神のどちらを選択するかという論争になってしまっていたからです。
結局、天皇は伊勢派を支持することになりますが、その為に神道の国教化も諦めざるを得なくなりました。
つまりこれは、その論争の余韻の中での御製なのです。
神道は浄心を最も大事に考えます。
それは澄んだ水の如く、清らかで、柔らかく、そして強さを秘めたものなのです。
五箇條の御誓文|明治神宮五箇條の御誓文|渋谷区代々木鎮座。大正9年11月1日創建。明治天皇、昭憲皇太后を祀る。他に神宮外苑、明治記念館のご紹介等。

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