
明治15年の御製
わたつみの 波の千尋の 底まで
もてりとほるらむ 秋の世の月
大意としては、大海原の光なき深きところまで、この秋月の光が届くように、というものです。
勿論、単に自然の情景を御詠みになられたという事でもいいのでしょうが、私は「いつ御詠みになられたか」という所に着目したいと思います。
明治15年には「軍人勅諭(陸海軍軍人に賜はりたる敕諭)」が下賜されました。
通常と違い、明治天皇の署名のみで御璽が捺さず、陸海軍に直接下賜するというものでした。
軍人が守るべき徳目を説いたものですが、冒頭に「我國の軍隊は世々天皇の統率し給ふ所にそある」とあります。
政府もまだ若く、未だ末端までの統制が確立していなかったこともあって、明治9年から10年にかけて神風連の乱、秋月の乱、萩の乱、西南の役と立て続けに戦いが起こりました。それは時代を背負うはずの多くの有能な人々を失う結果となり、天皇陛下も御心を痛められたことと思います。
そこで何らかのルールを定めることにより、政府、特に軍部の末端まで総てに、天皇の御意思を知らしめようと思われたのかもしれません。

明治天皇の御治世|明治神宮明治天皇の御治世|渋谷区代々木鎮座。大正9年11月1日創建。明治天皇、昭憲皇太后を祀る。他に神宮外苑、明治記念館のご紹介等。

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