明治35年の御製です。
ちはやふる 神をまつりて こともなく
くれゆく年を いはひけるかな
明治神宮の「365日の大御心」では、次のような口語訳になります。
「はげしい霊威をおもちになった神をお祭り申して、何の障りもなく静かに暮れてゆく年の幸いを、心謹んで祈ることである」
明治27年日清戦争を経験した日本は、その後ロシアの脅威に晒されることになります。義和団事件の後、満州に軍を駐留し続けるロシアは、シベリア鉄道を通して兵站を確保しようとし、また海軍力も世界最強レベルになりつつありました。
緊迫する極東の情勢から日露開戦が危ぶまれる時、「今年はなんとか無事に越せた」と、明治天皇は年の瀬にさぞや安堵されたことでしょう。天皇陛下の重責は、我々にはとても想像できませんが、この御製から平和を望まれる陛下の大御心が伝わって参ります。