
『西南の役では官軍側にも多数の死傷者が出ました。
天皇は士官などを晩餐に呼び労をねぎらいます。その中に腕や指をなくした者、片目を失った近衛士官も含まれていた。彼は一人一人に負傷した場所や日時を聞き、「疼痛既に去れりや」と彼らの傷痕に触れてあげたのです。負傷者はそのやさしさに泣き崩れ、それを見守っていた者たちも涙を流さずにはいられませんでした。』(「明治天皇を語る(新潮新書)」)
よく帝王学と言いますが、天皇には帝王学は必要ないと思います。
なぜなら天皇とは、神に仕える最上位の祭祀官だからです。
ですから惟神の大御心さえお持ちになられていればそれでいいのではないでしょうか。
この「疼痛既に去れりや」も、陛下にとって作為からではなく、無意識のうちに自然と起きた出来事だったと思います。陛下は心から負傷した士官達を案じられて、ひとりひとりに御言葉を掛けられたのだと思います。それは人から教えられたものではなく、陛下の御人柄と、常に神と共にあられた大御心からのものだったのです。
ドナルド・キーン - Wikipedia

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