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大和心

第303回 明治天皇-14

著者:小山一夫 / 公開日:2023-10-07

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

『明治天皇は、節約をすべきだといつも言っていました。接ぎを当てた軍服を着ていたこともあります。穂先がちびた筆を使い、小さくなった墨を使いつづける。靴の裏に穴ができた場合はそれを修理に出しました。

ある時、侍従が、実は修理代よりも新しい靴のほうが安いと言ったのに対して、明治天皇は、かまいません、修理すれば使えるものは修理してください、と答えています。物を捨てることはよくない、と考えていました。いかにも儒教的な考え方です。彼の倹約ぶりのため、蠟燭で煤け黒ずんだ宮殿のカーテンや障子もそのままでした。』(「明治天皇を語る(新潮新書)」)

ドナルド・キーン氏は儒教的な考え方だと書いていますが、漢学の範囲でいうなら儒教よりも墨家に近いような気がします。ただ、明治天皇の場合は、必ずしも漢学によるものとは言い切れないと思います。

周知のとおり、副島種臣翁をはじめ侍講達から漢学を学んでいますが、それとともに古事記や日本書紀を通して皇学にも通じておられました。

漢学における帝王学と皇学とは根本的に異なります。漢学には王道、覇道いずれも民を支配するというスタンスになりますが、皇学は民に寄り添い、辛苦を共にし、智と愛を以て互いに支え合うという「勇・智・親・愛」の四魂の徳と、また古事記にもあるにように(伊邪那岐大神の禊祓いの段)、直霊の働きにより、自らを省みる浄心の謙虚さが説かれています。

ですから、私は皇学の精神に従って治世されていたのだと思うわけです。

なぜなら明治天皇は「王政復古の大号令」において「諸事、神武創業の始めに基づき」(「諸事神武創業之始ニ原キ」)と勅令されているからです。

ドナルド・キーン - Wikipedia

リンク

ja.wikipedia.org

私のお薦めするドナルド・キーン先生の著書