神道と日本の記事一覧

大和心

第320回 明治天皇-19(1/2)

著者:小山一夫 / 公開日:2023-11-11

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

『また、日露戦争において旅順陥落の報せを聞いた明治天皇の最初の発言は、降伏したロシアの将軍ステッセルの武人としての名誉を大切にせよというものでした。よかったとか、すばらしい勝利だということではなかった。敵の将軍のことを心配していたのです。これは立派な態度だと私は思います。

旅順陥落を、ある軍人が喜びのあまり震えながら明治天皇に報告しに行きました。それを聞いた天皇は浮かれることもなく沈着冷静、なんどか頷いただけでした。

ロシアの軍事力にはまだまだ注意が必要なときに浮かれてはいけない、旅順攻略で数多くの日本兵が死んだというのに喜んでいいのか、と賢明な彼は考えたのでしょう。』(「明治天皇を語る(新潮新書)」)

明治天皇は、日露戦争の戦況に心を痛めていました。

とくに旅順攻略では、戦死約15,400名、戦傷(延数)約44,000名という大変な死傷者でした。ロシア側の損害も戦死約16,000名、戦傷(延数)約30,000名。両軍ともに多大な犠牲を出しました。

日本にとってもかつて経験したことのない苦戦に次ぐ苦戦で、乃木大将もどうしてよいかわからなかったことでしょう。一時は乃木大将を更迭する案も浮上しましたが、御前会議において天皇は、乃木大将の更迭に否定的な見解を示したと言われています。