明治37年御製
石上 古きためしを たづねつつ
新らしき世の 事もさだめむ
明治神宮の「365日の大御心」では、次のような口語訳になります。
「わが国の古来より伝わる先例のもつ心を探り求めながら、新しい時代のさまざまなことも定めてゆこう。」

「やまと心 明治天皇御製謹註」(佐佐木信綱著)によれば、
「温故知新の主旨を御政道の上におぼしめしよせられたるなり。明治御大政の根本義の一はこの御製に歌はせられたり。」とあります。
確かにその通りなのですが、なぜ天皇がそのような趣旨の御製を詠まれたのか。
それを考えるには、この御製がいつ詠まれたものなのか、を知る必要があります。
この御製が詠まれる少し前、明治33年文部省は国語調査委員8名を任命し国語の調査・改良方針の大枠を決定する予備調査を命じます。それを受けて明治35年、文部省に漢字廃止(音標文字化)を前提とした国語調査委員会が発足しました。日本の古典と漢学を深く学ばれた天皇にとって、とんでもない話だったと思います。
もし、漢字を廃止してしまったらどうなるでしよう。
実際に第二次大戦後、漢字を廃止した国があります。
それは韓国です。
韓国統計庁によると、韓国人の40%以上が年間1冊も本を読まず、平均読書量は5.3冊だそうです。調査方法は違いますが、日本人は年間約19冊とのこと。もし日本が漢字を使わず、すべてローマ字にしていたら、韓国よりも更に少ない冊数になっていたと思います。
漢字を使わず、文章全部がローマ字とかカタカナだったら、本を手に取る気にもならないでしょう。
韓国の5.3冊はある意味凄い数字だと思います。
続く。