神道と日本の記事一覧

大和心

第480回 本田霊学の継承-28(2/3)

著者:小山一夫 / 公開日:2024-08-08

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

翁が御滞在中、研修や指導をなされたと云う建物が、神神社の参道から一の鳥居を潜ると直ぐ左手に在る。現今は朽ちていて物置の如くになっていてものさびしい。この家屋内で嘗ては御起居せられしと見聞するにつけ、何か一種の親しみと畏敬の念がわいて来る。神社の御境内は今でも樹木数多生い繁り、古きより高草山とも青垣山とも呼ばれ、実に欝蒼たる老杉古松を渡って来る風声を聞き、その御社を拝すると、その神厳さには粛然襟を正しうし、更に深く頭を下げしめねば止まぬ霊感に打たれる。本田霊学に研修を志す人は一度はこの御社に参詣し、翁の足跡を尋ねると共に、更に身心を浄める要があるのではないか。(余録十六)

同書中には猶引用すべき箇所が多いのであるが、それは必要の都度に致しましょう。私も幾度となく神神社に参拝し、その都度社務所に伺い、現宮司及御家族にも御厄介かけましたので、これらの記事は凡て真実であることを確言することが出来ます。前掲の和歌等は大凡そ軸物に表具されているのをも拝見いたして居ります〔註四〕。之等の歌を読みますと三輪氏一家と親炙〔註五〕の状が伺われますし、一年祭の祝詞等からは、遺族として知可未亡人及薫子嬢(実名ミカ) 〔註六〕も来会していることが凡そ判るのであります。祝詞文も虚飾語は少しもなく古体であって、全集所載の師の文例に近く名文であると考えられます。更にこの文末の章句にこめられた著者の深い感動は惻々として迫る思がいたします。この著はタイプ印刷の粗末な百余頁の小冊子ではありますが、今は殆ど入手し難い稀観の書であり、本田霊学の正統を継承する著者の書として、今後益々重要視されるでありましょう。