「本田親徳研究」(鈴木重道氏)を参考に本田霊学の継承について御紹介したいと思う。解説については自説であり、本田霊学としての公式見解ではない。

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『長沢翁の審神者される時の態度は実に巍然たるものにて、人々をして思わず襟を正さしむるものが有った。筆者も傍らで拝見して居って其の厳粛さに自然に頭の下る思いがしたことが屢々であった。又、時には翁の眼が異様な光を発するのを見かける事もあった。憑依中に邪霊の懸った場合など、その霊に詰問される翁の声は、実に荘重そのものの感がした。しかし霊縛法を行われる事は滅多に見られなかった。霊縛を行なうと云う事は現界(人間界)の場合に法律によって罪人を捕縛することと同じ理由があるためである。それは憑依せる邪霊が何らかのことで罪と看倣(みな)すべき行為行動をなしたる時すなわち憑霊が懸っている処の本人の身体とかその生命に不安を及ぼすような場合か、又は本人並びにその周囲の家族なり関係者等が、此の為に非常に迷惑したり、苦しむ様な場合には断じて霊縛すべきものである。そして、その霊を取除き苦しみを救うのが審神者としての務めである。霊縛するとしても、その邪霊の行為等によって一応は詰責する事は勿論であるが、説諭しても猶改めない場合に於ては断乎として其の法を行うのである。
此の法は元来その人に憑いている、懸っている霊を縛る事であって、その人の肉体を縛る事ではない。併しこの法を行うと、憑依者自体は苦痛な表情や顔色を示すが、肉体的には全々苦しみは伴わないものである。妖魅界の霊には相当な霊力を備えているものもある 。強力な邪霊となると当方の霊縛を跳返して逆に当方を縛ろうとするが如きものがある。時によると、此の様な場面に遭遇する事もあるが、この様な場合は、即刻、正神界に霊縛方をお願い申上げ神界より御縛りして戴くのである。なお甚だしい邪悪な行為行動を示す霊は、神界より其の霊を抹消(抹殺〉してしまわれる事もある。是等は人間界の死刑と同様な事柄とも思われる。(余録十三) 』(『本田親徳研究』)