これはその人の為めに行われるものである。鎮魂祭は、宇気伏の伝と布留辺の伝とあり、此れを兼ね行はれる儀式で古来宮中に行わせられて居る年中行事の一儀式と云う。なお此の儀式には「玉結びの法則」も加えている。玉結びは、記紀その他には明記してないが、宮中の御儀には古来より行わせられる。
「江次第」、「貞観儀式」等に載せられている。之れを御玉緒の緒を結ぶと云う。
伊勢物語=おもひあまり出にし玉のあるならむ 夜深く見えば魂むすびせよ
源氏物語=なげきわび空にみだるる吾魂をむすびとどめよ下がひのつま
袋草紙(見人魄歌)=たまは見つぬしは誰とは知らねども 結びとどめよ下がひのつま
古歌=たもしひのかようあたりにあらずとも むすびさせまし下がひのつま
古歌=あてがるる我魂もかへりなむ 思ふあたりにむすびとどめよ』
『第二章 行事鎮魂
これは自己の為の鎮魂であるが、禊、振玉等によって精神統一を行う方法で、外来のものをも加味されたと思われる。石上神社に伝わっている布留部の鎮魂法は、物部氏特有の行事であるかと思われる。十種の神宝を用いて行ったものであろうが、現在行われているのは後世変革されたのと思われる。以上は顕斎鎮魂と申すべきである。』
これらは歴史もあるし、顕斎の範囲での鎮魂法になるので、直接神と合一するというものではない。ただそれぞれに目的があり、意義もあるので尊重すべきものと考える。