この高宮の磐境は大部広く形作られて居りまして、半分がお祭りの場、奥の半分の中央に神籠の場所がありまして榊の木があります。祭場が三壇に分れ手前の低い場所が祭員の着座奉拝の処で一番広く、中の段が玉串拝礼の処、上段は黒木の机が置かれ神饌をお供えし、その前が宮司の祝詞奏上の座の様でありました。勿論自然石で周囲が築かれ、斎場は細かい砂利が敷かれてありますので、座は薄べりを敷き凡て足袋のまゝ浅履は段下に脱ぎます。 審神者、神主、神祗伯の二人が玉串を捧げて奉拝いたしました。浄闇の中にほのかな衣ずれの音のみして、拍手の音が静寂の森にこだまします。』(「一本の道」)
幽斎は深夜に行われる。何故夜なのかは、記紀を見ても説明はない。公式・正式幽斎は、神命に基づき極めて厳粛に行われる。筆者は一度しか参加していないが、強き神気に身が引き締まる思いだった。