本田親徳翁の「鎮魂法と帰神術」について考察したいと思います。

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『これに就いて大分昔の事であるが長沢翁の語られた話に、翁の御奉仕の月見(やまなし)里神社の社務所に於いて、門下の佐野氏が審神者となり神懸りを行った事が有った。此の時右の如き動物霊(野狐)が或人に懸り、氏が霊縛を行った処、その霊が突然に飛び出してきて氏の膝頭に咬みついた。側らに居られた翁は其れを見て直ちに追除かれたが、氏の膝には疵は付かなかったが、着衣には歯の跡があり穴もあいていたとの事である。
霊術を指導して居ると此の様な場面に遭遇する事が有るので、審神者の役たるや寸刻も油断が出来ないものである。此の如き邪霊を見極め得なかった事は、審神者たる者に備はる力量等が不足であった為であろう。ともあれ憑霊の正邪を見極める事は、数々の憑依現象とその状態の経験を積み重ね、なお其の上に霊力霊感霊覚等に依って判別しなくてはならない。
なお又、如何にしても正邪の見極めが付け難い時が有るが、其の場合は自感法に依り神界に御尋ねして御神詰を受けて悟るのである。筆者の体験では、邪霊が懸る寸前に或る種の神感法に依ってそれを察知する事が出来得る事を体得している。』(「顕神本田霊学法典」)