゛中゛とは「外ならざる外を総称する詞」、左右に偏せざる詞。
主とは之大人(ノウシ)の語の約(ツヅマ)ったもの、即ち「あるじ」の義。是れをマトメて申すと、日月星辰、風雨雷電、国土山川、草木菌苔(菌=キノコ。苔=コケ)、神人鳥獣、虫豸(チ)(足のない虫)、魚介等の宇宙間に在りとあらゆる一切万物、悉く、天の中の物ならざるは無い、其の天の中の大主宰、宇宙の大元霊なるが故に、此の様に称す。
大神は天地の形を生ぜざる前より、天地の形を滅する後まで、少しも移り易はる事なく、始めも終りも無く、万物を造化し、宇宙を主宰する。「我国の神道は造物説でなく、造化説なり」=造化とは自然に造られ、自然に化せられる事で、此れが惟神の義である。
高皇産霊神、神皇産霊神の気化
天御中主大神の御神霊は一秒間の休止もなく宇宙に溺淪し、六合(天地と四方)に浹洽(キョウゴウ)している。此の休止する事なく造々化々する働きは、一方に開伸する時は、必ず他の一方に闔縮(カフシュク)して其の平均を取る働きを生ずる。丁度、一盤の水をサジにて一方に押すと水の量は少しも増減はないが、水の勢は、大いに伸縮して、内外表裏を表わす。
伸びるは縮むの始、縮むは伸びるの原(モト)。開くは閟じるの始め閟じるは開くの原であって、「伸びると縮むは表裏を為し」。
「開くと閟ずるは、内外を為す」。此の様に宇宙を円活(満々)し、万物を陶冶(トウヤ)する造化の御働きが有るのである。此の活用の「外に向って開伸し給ふ時に生れませる神の御名を高皇産霊神と称し。内に向って闔縮し給ふ時に生れませる神の御名を神皇産霊神と称する。
此の二神は気化の大神である。何故かと云うと御名に因って明かである。
皇産霊(ミムスビ)の「皇」は美称で「御」と同様。
「産(ムス)」は蒸の義で、「物に蒸されて生ずる意味」。即ち、草生、苔生、息子、息女などの「むす」である。
「霊」は奇異の「び」、魂の「ひ」日、火などの「ひ」で霊妙と云う事の「古言」である。