薬、浴、防、棄、避、之五術、固在衆情中。後世動作異行、猥誦奇呪、欲潔其身、反汚其体、実白圭之玷(キズ)。
訓
薬、浴、防、棄、避の五術は、固より衆情の中に在り。後世動(ヤヤ)もすれば異行を作し、猥(ミダ)リに奇呪を誦(トナ)へ、其の身を潔めんと欲して、反って其の体を汚す、実に白圭(ハクゲイ)の玷(キズ)なり。
解説
此の項は日常生活に於いて挙げた五つの項目は自然と神に教えられたものであるのに動もすれば異行を計って猥りに奇呪(うらない、まじない)を行って身を清めようとするが、反ってその体を穢している。例え、滝の行などで心臓麻痺を起して死亡するような事になるのは、実に宝石の玉に玷を作ってしまったような事であると戒しめたものである。
薬は病気になった時に用い、体の汚れは入浴して清め、寒い時は衣を重ねて寒さを防ぎ、汚れたものは棄て、悪いものは避ける等の五術は大衆の心の中(霊)の活きに在るものであると説明したものである。
真道間対(下段各頁)では
◎神異者は如何。(231頁)
△異を見ては必ず敬ひ、怪を聞いては必ず戒む。
◎人の精神は必ず語(コトバ)に憑(ヨ)るか。(216頁)
△或は語に憑り,或は語に憑らず。
◎祈薦益有るか。(217頁)
△或は益有り、或は益なし。
等々、人の心の持ち方によって良くも悪くもなる。世人を誑かすようなものは益なしと教えているものである。
明治16年3月 平朝臣 本田親徳