△ 足魂なるは、植物の本質なり。植物には固より霊覚無く、又力徳無し。而して今霊覚有り、力徳有るは、他物を変じて、而して霊覚を生じ、又力徳を生ずるなり。夫れ足魂とは、養を他物に資りて、而して死生栄枯するものの総称なり。地霊と地力との変化に因りて、以て動物と成りて而して知覚を生ず。或は凝体と成りて而して一種異状の力徳を生ず。俗眼の者は以て変異と為す。夫れ養を他物に資りて、而して死生栄枯するは、植物の正則なり。其の動物に変じ凝体に変ずるは変則なり。
解説
植物の本質である足魂は、どういう活動をされるかの説明である。
植物が生成化育の霊・力に因って、種から芽生えて生長し、増殖されるのは、地霊(土地の神霊・産土(ウブスナ)神)・地力(土地の生産力・肥沃な土)のいろいろな用に因って養分を得て生長している。これが植物の正則(正しい法則)である。
地霊と地力との変化に因って動物と成り而して知覚を生ず、或は凝体(こりかたまった物体)と成って一種異状の力徳を生ずるのは俗眼(神眼の対)で見れば異変が発したと見るであらうが、このような動物に変じ凝体に変ずるのは変則な事である。とは植物の正則に対する変則を述べたもので、現在は解明されているものでも、壱百年前では植物か動物か判断に苦しむもの(例、無脊椎動物=原生物・海綿動物等)が、あったものと思料される。