2022-03-01 著者:小山一夫
原文保存・医学的校閲前/画像は元サイトから読み込みます。
古代の養生功三十篇を収録した古代養生法図譜の序言に下記のように書かれています。
ちょっと難しくて長くなりますが、翻訳してみましたのでご参考までに。(前回の続きです)
『本文によく「気」という名詞が出てくる。これは哲学概念であり、私たちの吸う空気を指すものではなく、万物の成長や変化の根本となるものであり、且つ人の体の気と宇宙の気は通じ合うものという前提を持っている。
先天の気は、胎児が形成された時の精気と妊娠期間の元気を含み生命活動の基本となる動力である。後天の気は、肺に入った天気と胃に入った地気を含み、生命活動の物質的な力である。
先天の気と後天の気はお互いに補完し合って、人体の真気を形成する。本文の各種功法は皆「天人合一」という生命観に基づいたものであり、その目的は人体の真気を育成し、増強することにある。
古代の人は、「天には日、月、星の三宝があり、地には水、火、風の三宝があり、人には精、気、神の三宝がある」と思っていた。
中国古代の養生功法と西方の体育訓練との根本的な区別は、外の筋、骨、皮を訓練するばかりでなく、内の精、気、神をも訓練し、特に神を訓練することが鍵である。
精神が高度に鍛錬され、静かな境界に入らなければ、意志の力で気を丹田(「気海」とも呼ばれる)に導き、経絡に沿って全身に流がすことができない。』
丹田には、上丹田、中丹田、下丹田の3種類があります。これもどれかひとつに気が集中するのは良くないとされています。それぞれを強化するとともに、適正な循環とバランスが重視されるわけです。
経絡に沿って全身に流すとありますが、その代表的な技法は道家の「小周天」法です。(より高度な修法を大周天と言います)
これができる人は滅多にいませんが、それだけ難しい技法だと言えます。
小周天については、これまでたくさん本が出ていますが、最も信頼できる書物として台湾の許進忠老師が著した「築基参証」が挙げられます。
この許進忠老師については、我が国でも数多くの文献で紹介されています。いい加減な自称仙人の多い中、数少ない本物として国際的にも広く知られている方です。ただ残念なことに、日本語に翻訳されたものは出版されていません。
私も台湾でお会いしたことがありますが、誰もが最高峰と認める現代屈指の仙道家なのに、お人柄はとても親切で腰の低い方でした。
忘れられないのは、老師が気をコントロールされる時、眼光が一変し、見ていて鳥肌が立つほど、周囲がもの凄い「気」に包まれたことです。
ちょっと言葉では説明し難いですが、何かにつかまっていないと、どうにかなってしまいそうというか、なんというか。眩暈がするほどでした。
小周天や大周天ができる人は、老師のように独特な気をまとっていますので、会えば必ずわかります。
その方を前に眼を閉じて心を鎮めますと、自分の周囲の空間が波立って自分の方へ押し寄せてくるからです。(神気とは明らかに質が異なりますので誤解なきよう) ただ許老師の気は並外れていましたが。。。
気は、ある種の物理的エネルギーの側面を持つものなのでしょう。
つづく