一般財団法人 野萩青少年育成財団
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菜根譚

2022-07-12 著者:小山一夫

原文保存・医学的校閲前/画像は元サイトから読み込みます。

 

「禅の宗旨を説いた詩句に、腹がへれば飯を食い、眠くなれば寝るというのがあり、詩の妙旨を説いた言葉に、詩は目の前に見える景色を写し、ふだん用いる言葉で述べるというのがある。

 

思うに、最も高遠な真理は、最も平凡なものの中に宿っているものであり、最も至難な理論は、最も平易なものの中から出てくるものである。

 

詩によってたとえると、ことさら意を用いて技巧を加えたものは、かえって真実に遠ざかるものであり、無心なものの方が、かえって自然と真実に近づくものである。」

「菜根譚」明徳出版社刊、中国古典新書より

 

この書は、明の還初道人、洪自誠の著です。

私は昭和55年にこの本を買い求め、以来思い出すように時折ページをめくっています。道家、儒教、仏教のエッセンスに溢れた「生き方」で、一読の価値ありと思います。

 

フランス料理のシェフが美味しいコンソメ・スープをつくるのはとても難しいといっていました。これは殆んど具を入れないスープで、ブイヨンの質如何がそのまま味わいを構成します。

透明感をもって、ほのかに輝いているものが良いと聞きましたが、味わいは芳醇で濃厚であり、かつ淡々としているのがいいそうです。

 

どんな料理でもシェフにとっては真剣勝負でしょうが、他の要素で味を誤魔化せないコンソメはまさにフランス料理の基本中の基本である為に、そのままシェフの力量があらわれてしまいます。

 

最高に厳選された素材を用い、細心の注意で火加減を調整し、微すかなアクも見逃さず、鍋から片時も離れない。まるで小さな命を育むかのように心を込めて見つめ続ける。彼曰く「コンソメを極めるのが一番至難だ」。 まさに言い得て妙だと思います。

 

「すべて味の濃厚な酒肉や香辛調味の類は、真味ではない。真味とは、水や空気のようにただ淡い味のものだけである。

これと同じく、神変不可思議で、尋常でない行為をする人は至人ではない。至人とは、ただ尋常で、平々凡々なだけである。」

「菜根譚」

 


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