一般財団法人 野萩青少年育成財団
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インドの詩聖タゴール―2

2022-06-15 著者:小山一夫

原文保存・医学的校閲前/画像は元サイトから読み込みます。

 

『詩人の風は

海や森の方へ

出かけてゆく

彼自身の声を探しに』

「迷える小鳥」より

 

タゴールは視野の広い国際人であり教育者でもありました。

1901年、父のアシュラムがあるベンガルのシャンティニケータンに、農民の自立を図る為の寄宿学校を設立しました。20年後この学校は、東洋と西洋の哲学の調和を追求するビシュバ・バーラティー大学へと発展し、現在国立インド国際大学となっています。また、日本(1916年来日)を始め世界各地で講演旅行を行ないました。

 

タゴールはもともとベンガル語で作品を書きましたが、その多くを自分で英訳しました。1915年には、イギリス国王ジョージ4世からナイトの称号をうけたましが、現在のパンジャブ州アムリッツァルで400人のシーク教のデモ隊がイギリス軍に虐殺された時ナイトを返上しています。

 

タゴールの詩は「ギータンジャリ」以外にも多くが翻訳されていますが、私の知る限り「ギータンジャリ」はタゴール著作集(第3文明社)第1巻収録の森本達雄訳が一番洗練されていて好きです。

 

『あなたは、

私を限りないものにしてくださいました

それがあなたの喜びなのです。

 

この脆い器を

あなたは幾たびも空にしては

つねに

新たな命の輝きで満たしてくれます。

 

この小さな葦笛を

あなたは

丘を越え、谷を越えて持ち運び

その笛で

とこしえに新しい旋律を吹き鳴らしました。

 

あなたの御手の不死の感触に

私の小さなこころは

歓びの余り度を失い

言葉では尽くせぬ言葉を語ります。

 

あなたのたゆまない贈り物を

私は

この小さな両の手でいただくほかはありません。

 

幾歳月かが過ぎてゆきます。

それでもなお

あなたは注ぐ手をやすめず

そこにはまだ

満たされぬゆとりがあります』

<タゴール「ギータンジャリ」より>

 


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