2023-02-27 著者:小山一夫
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ヴィスコンティの傑作です。
パンデミック禍のベニスで老作曲家が、理想の美を感じた少年に恋をする物語です。これこそヴィスコンティという独特な美の世界観と、生と死を考えさせる詩的で重厚な作品です。「地獄に堕ちた勇者ども」「ルートヴィヒ」と並ぶ『ドイツ三部作』のひとつですが、その雰囲気はしっかりと受け継がれている気がします。
最後のシーンでは目頭が熱くなります。
舞台となる島はベニスからボートで近いリドという島です。
毎年9月にはヴェネツィア国際映画祭が開催されています。
私が行った時(30年位前かな)はちょうど夾竹桃や百日紅などが咲き乱れ、さすが「花の島」と言われるだけのことはあると思いました。
初日はエクセルシオールに予約したのですが、ホテルのボートでリド島に向かいます。暫く揺られて、リド島に着いた時、まるで別世界のような驚きがありました。
ホテルに向かう水路の両側が高い花の壁に囲まれていて、そこをゆっくりとボートが進んでゆきます。まずほかでは味わえないような美しさかも。これだけでもリド島に来たかいがあったと思いました。
そして船着き場に到着。
こちらは何となくイスラムの雰囲気を感じさせる、高級感あふれるホテルでした。
でも「ベニスに死す」を観てリド島に来た私としては、当然翌日から映画の舞台「ホテル・デ・バン」へ。
着いた時の印象は、ちょっと映画と違うかなと。
当たり前かもしれませんが、期待が大きすぎたのでしょう。
ここに来たらビーチへ行かなければということで、早速着替えて映画のラストシーンの舞台へ。ああ、このビーチでダーク・ボガード演じるアッシェンバッハが息を引き取るのか、と感無量。
波光の輝きだけは、その日も健在でした。
(その後2010年に、この伝説のホテルが廃業したのはとても残念です)