
2023-03-22 著者:小山一夫
原文保存・医学的校閲前/画像は元サイトから読み込みます。
『外科医として20数年間に2000人以上の大腸がん手術に携わってきましたが、そのときいつも思っていたことがありました。それは、「この人も、おなかの筋肉がペラペラだな」ということです。
性別や年齢に関わらず、がんで手術をする人の腹筋は筋肉も筋膜も薄く、簡単に切ることができたのです。これは外傷などで腹部の手術をするときに開腹する場合とは明らかに違っていました。しかし、この腹筋が薄いことに意味があるとは、当時の僕は気がつきませんでした。』
スクワットを頑張って続けていますが、腹筋もなんですね。
筋トレメニューが増えそうです。
『そもそも僕たちの体の中には毎日5000~10000個のがん細胞が出現しています。しかしそれらの細胞が増殖することはありません。未熟な細胞であるために自ら増殖がストップして細胞死する、または免疫細胞に処理されるためです。
検診で発見するためには少なくとも1cm程度の大きさになることが必要です。その大きさになるためには、10年から20年の年月を要します。免疫細胞がその能力を適切に発揮していれば、その細胞はことごとく壊され、がん細胞は増殖することはできません。がん細胞が免疫細胞の網の目をかいくぐって増殖したということは、10年から20年免疫機能が低下している状態が続いていたということになります。』
つまり10年20年にわたる戦いに勝利したか敗北したか、という結果なんですね。
当たり前のことですが、日頃の注意と努力が健康維持の基本だとわかりました。
『筋トレをすることで得られる効果は全身の慢性炎症の改善です。筋肉は動かせば動かすほど筋肉からミオカイン(myokine)と呼ばれるサイトカイン(細胞間の伝達物質)を放出します。このミオカインには炎症を抑える物質が含まれており、筋トレを繰り返すことで全身の炎症が改善していきます。
がんは体の中に慢性炎症が持続することによって発生します。全身の炎症が起これば筋肉はどんどん退縮していきます。そのため僕がおなかの手術をした多くのがん患者さんの筋肉が萎縮していたのは、慢性炎症の結果だったのです。がんを予防するためには慢性炎症を改善することです。そのためにはまず、いい食習慣を形成することが重要です。しかしそれだけでは十分ではありません。筋トレをして筋肉自身から出る抗炎症物質を使って全身の炎症を改善することも併せて必要です。
イングランドとスコットランドの80306人を、平均9.2年経過観察して運動と死亡率の関係を見た研究があります。運動の種類はジョギングなどの有酸素運動と筋トレ、有酸素運動+筋トレ両方の3群で死亡率に影響を与えるかを検討しました。あらゆる原因での死亡に関しては、筋トレでも有酸素運動でも死亡率の低下を認めました。しかしがんによる死亡率だけを検討したところ、筋トレのみの群、筋トレ+有酸素運動の群は、がん死亡率の有意な低下を認めましたが、有酸素運動のみの人はがん死亡リスクの低下は認めませんでした。』
私の父は癌になってから日課の散歩時間を30分くらい長くしていました。
夕方陽が陰ってからでしたが、それでは日光浴にはならなかったし、散歩だけでなく、医師に相談しながら、無理のない範囲で筋トレをすべきだったのでしょう。
私も再検査に行くたびに再発を心配していますが、とりあえず自分でできる事はしておきたいと思っています。