一般財団法人 野萩青少年育成財団

伊勢神宮の式年遷宮は、なぜ二十年ごとなのか

先行公開・2026年10月11日

第1回 前書き(1/2)

はじめに

伊勢神宮の式年遷宮は、二十年に一度行われる、神道最大級の神事です。

社殿を新しく造り替え、御装束神宝を新調し、御神体に新宮へお遷りいただく。

この壮大な神事は、千年以上にわたり受け継がれてきました。

一般には、式年遷宮の理由として、建築技術の継承、社殿の清浄維持、常若の思想、古代以来の伝統の保持などが語られます。

もちろん、それらは大切な説明です。

私も、それらを否定するつもりはありません。

しかし、どうしても一つの疑問が残ります。

なぜ、二十年なのか。

技術継承なら、十五年でも三十年でもよいはずです。

清浄を保つためなら、部分修理でもよいはずです。

茅葺屋根が傷むなら、屋根だけ葺き替えてもよいはずです。

費用負担を考えるなら、正宮だけに限定してもよいはずです。

それにもかかわらず、伊勢神宮の式年遷宮は、二十年という周期で、社殿だけでなく、神宮の祭祀世界そのものを新しくします。

そこには、単なる建築や技術継承を超えた、神道の根本思想があるのではないか。

本書は、その問いから生まれました。

私の考えでは、伊勢神宮の式年遷宮とは、単なる建て替えではありません。

それは、

天地の祓い

であり、

天照大御神の振魂

です。

二十年という周期には、六十干支を三分する暦法的・宇宙論的意味がある。

東西の御敷地を移ることには、左右左の祓いに通じる象徴がある。

そして、御神体に新宮へお遷りいただくことには、天照大御神の神威を振り起こす、振魂の意味がある。

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