はじめに
大和心とは、遠い過去の思想ではない
大和心とは何でしょうか。
この言葉を聞くと、多くの人は、どこか古風なもの、遠い昔の日本人が持っていた精神、あるいは武士道や国学と結びついた特別な思想を思い浮かべるかもしれません。
しかし私は、大和心とは、決して遠い過去の思想ではないと思っています。
それは、現代人がもう一度取り戻すべき、自然との感覚であり、いのちへの感謝であり、神を信じる以前に、神を感じる心です。
私たちは今、とても便利な時代に生きています。
スマートフォンを開けば、すぐに情報が手に入ります。
遠くの人とも一瞬でつながることができます。
暑さ寒さも機械で調整でき、夜になっても明るい部屋で過ごすことができます。
けれども、その便利さの中で、私たちは何か大切なものを失いつつあるのではないでしょうか。
朝日を浴びて、今日も生かされていると感じる心。
風の音を聞いて、季節の移ろいを感じる心。
花が咲き、やがて散ってゆく姿に、いのちの美しさを感じる心。
食事の前に手を合わせ、いのちをいただくことに感謝する心。
神社の森に入り、清らかな空気の中で心が静まる感覚。
こうしたものは、昔の日本人にとって、特別な思想ではありませんでした。