一般財団法人 野萩青少年育成財団
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禅の十牛図 考-23

2024-11-04 著者:小山一夫

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禅の十牛図について技術的な側面から解説します。
(「悟りに至る十牛図瞑想法」より)
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身心脱落とヨーガスートラの八支則


道元の説く身心脱落は、まさにヨーガスートラの境地そのものだ。ヨーガでは、禅定(サマディ)に入る際に、まず”肉体感覚を消失させろ”という。ここでは、”肉体的な煩悩を無くせ”などという宗教的な解釈ではなく、実際に肉体感覚が消えなければならない。そのためにヨーガスートラは3種類の技法を用意している。それはアーサナ(坐法)、プラーナーヤーマ(調気法)、プラチャーハーラ(制感)だ。


そもそもヨーガスートラは、次の3つの目標を達成するために書かれた文献だ。それは「心の作用の止滅」、「純粋観照者の出現」、「真我独存」であり、その手段として八支則(アシュタンガ)を説いている。前述の3種類の技法はその一部だが、それによって肉体感覚の消失(=身の脱落)と心の作用の止滅(=心の脱落)をある程度実現する。厳密には、その後のダーラナ(凝念)、ディヤーナ(静慮)、サマディ(三昧)を経て、前述の3つの目標を達成することになる。


心の作用の止滅は、身の脱落が前提となるが、それによって自らの真我を観照できるようになる。これは、文字通り「見性(=本来の面目を観る)」に他ならない。そしてその先に、自灯明(=真我独存)がある。だが、ヨーガスートラは元々ウパニシャッドの準備段階に過ぎない。だとすればウパニシャッドの世界は、禅に於いて如何なる境地に相当するのだろうか?実は、その答えが禅の十牛図にあるのだ。

 


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