一般財団法人 野萩青少年育成財団
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禅の十牛図 考-210

2025-05-10 著者:小山一夫

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禅の十牛図について技術的な側面から解説します。
(「悟りに至る十牛図瞑想法」より)
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第3章    第六図 騎牛帰家


序
干戈已罷、得失還空
唱樵子之村歌、吹児童之野曲
身横牛上、目視雲霄
呼喚不回、撈籠不住

干(かん)戈(か)已(すで)に罷(や)み、得失(とくしつ)還(ま)た空(くう)ず
樵(しょう)子(し)の村歌を唱(とな)え、児童の野曲を吹く
身を牛上に横たえ、目に雲(うん)霄(しょう)をみる
呼(こ)喚(かん)すれども回(かえ)らず、撈(ろう)籠(ろう)すれども住(とど)まらず

頌
騎牛迤邐欲還家
羗笛声声送晩霞
一拍一歌無限意
知音何必鼓唇牙

牛に騎(の)って迤邐(いり)として家に還(かえ)らんと欲す
羗(きょう)笛(てき)声声晩(ばん)霞(か)を送る
一拍一歌限り無き意
知(ち)音(いん)は何(なん)ぞ必しも唇(しん)牙(げ)を鼓(こ)せん
 

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チベット、中国、日本の離脱法


チベット密教でも四大宗派のひとつカギュー派で離脱の法についての伝承がある。

同派の始祖マルパの長男タルマ・ドデが、当時法力において最強と言われたドルジェタクの調伏護摩で度(ド)脱(ル)(呪殺によって浄土へ送り届ける法)された時のことだ。

 

タルマ・ドデは、死の間際に自分の意識を「風(ルン)」に乗せて体外へ出し、「ナーローの六法」の中でも最秘と言われた「トンジュクの法(自分の霊魂を人間や動物の死体に乗り移らせる技法)」を試みたとされている。これには成功と失敗のふたつの後日談があるが、興味のある方は「性と呪殺の密教」(正木晃著、講談社)を読まれるといいだろう。因に遷移(ポワ)と言われる技法もある。こちらは人間や動物ではなく、特定の本尊、例えば阿弥陀如来などと合体させる法だ。


また、中国の仙道でも出神という離脱の技法があるし、古神道にも離脱(霊肉分離)して神界に行き神人合一をする自感法という技法がある。いずれにせよ、このような離脱の技術がさまざまな国にあり、しかもほぼ同じような考え方に基づいていることは驚きに値する。
 


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