一般財団法人 野萩青少年育成財団
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禅の十牛図 考-267

2025-07-06 著者:小山一夫

原文保存・内容校閲前/画像は元サイトから読み込みます。

禅の十牛図について技術的な側面から解説します。
(「悟りに至る十牛図瞑想法」より)
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第3章 第十図 入鄽垂手


序
柴門独掩、千聖不知
埋自己之風光、負前賢之途轍
提瓢入市、策杖還家
酒肆魚行、化令成仏

柴門(さいもん)独(ひと)り掩(おお)うて、千(せん)聖(しょう)も知らず
自己之風光を埋(うず)めて、前賢(ぜんけん)之途(と)轍(てつ)に負(そむ)く
瓢(ひさご)を提(さ)げて市(いち)に入り、杖(つえ)を策(つ)いて家に還(かえ)る
酒(しゅ)肆(し)魚行、化(け)して成仏せしむ

頌
露胸跣足入鄽來
抹土塗灰笑満顋
不用神仙真秘訣
直教枯木放花開

胸を露(あら)わし足を跣(はだし)にして*(てん)に入り来る
土を抹(まつ)し灰を塗って笑い顋(あざと)に満つ
神仙真秘の訣(けつ)を用いず
直に枯木をして花を放って開かしむ
 

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チベットの牧象図について


チベット版の牧象図は、一枚の大きな画面に描かれた図だ。各階梯は連続してひとつの物語を織り成す。図の特徴としては、黒象が漸次白くなってゆくところなど、明らかに廓庵版ではなく普明版に近い。ただ、絵図はともかくそこに込められた意味は、やはりチベット密教の色が濃い。もちろん保存されているのも密教寺院だから、当然思想的にも密教思想をベースとしていて不思議はないが、禅と密教の根本的な違いを知らないと誤解をすることになろう。


この牧象図は、能仁正顕先生の論文「シャル寺版チベット牧象図再考」によれば、「九種心住という心を制御し安定させる止の瞑想の九段階を視覚的に描写したもので、本来『止の図』と呼ばれるものである。」ということだ。この九種心住は、聴聞力、思惟力、憶念力、正知力、精進力、串習力によって成就される。そして山を登りながら止の能力が向上し、最後に観の働きが生ずるという運びだ。
 


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