2026-02-06 著者:小山一夫
原文保存・内容校閲前/画像は元サイトから読み込みます。
ヨーガとタントラについて技術的な側面から解説します。
(「ヨーガの極意」より)
***********************************************
10.ヴイシュッダ・チャクラ
喉に位置し、口、唾液腺、甲状腺と結びついているこのチャクラは、人間生活におけるコミュニケーションを司っています。印象的で力のある言葉は、活性化したこのチャクラから生み出されますが、バランスの不均衡があれば、説得力のない弱々しい言葉となって表れます。
人間はひとりでは生きられません。
ですからコミュニケーション能力を高めることは、生きてゆく上でとても大事なのです。コミュニケーションは言葉によるものだけでなく、表情、行為、芸術等、むしろ人間の活動の全てが表現手段だといっていいでしょう。
そこで次の3つの「はこび」が重要になります。
それは、「体のはこび」「言葉のはこび」「心のはこび」です。
これらは本来相互に関係しあっているため、個別に独立したものではありません。
さて、このヴイシュッダ・チャクラの部位も昔からエネルギーを通す際の難関のひとつにあげられていますが、頭を前に屈めて顎を鎖骨に近づけるようなジャランダラ・バンダでは、クンダリーニのエネルギーを頭部へ導くのはまず不可能だといえます。そういうとハタ・ヨーガ系の方に怒られそうですが、ハタ・ヨーガ・プラディーピガーの3-71でも次のように説明しています。
「このバンダは多くの気道の群のなかを上から流れくだる甘露をせきとめる故にこの名を得た。」(「ヨーガ根本経典」P238)
つまりこのジャランダラ・バンダは、上からの流れをせき止めるのが目的の技法であり、下から上にエネルギーを引き上げる為のものではないのです。火の呼吸メソッドでは、バンダという伝統的な言い回しを使わずにバンドゥを使用していますが、これは各技法の目的と方法が、ハタ・ヨーガの場合と異なるのを明示するためです。同じ語句では、よく説明も聞かずに早合点する方もいるでしょうし、ヨーガについて詳しいほど誤解を招くことになります。