一般財団法人 野萩青少年育成財団
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タントラとヨーガ 考-154

2026-02-21 著者:小山一夫

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ヨーガとタントラについて技術的な側面から解説します。
(「ヨーガの極意」より)
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<コラム> 神観とヨーガ技法


インドにおける最高主宰神の考え方について、中村元博士は次のように書かれています。(「ヨーガとサーンキャ哲学」P98)
「宇宙を創造した最高神というものが存在するかどうか、― この問題は、古来、世界の諸文化圏を通じて、哲学者や神学者達が真剣に論議したことがらであった。」として次の三パターンをあげています。

「<ⅰ>若干のウパニシャッドやヴェーダーンタ学派ないしヒンドゥー教諸派では、世界を創造し、存続させ、やがて滅ぼしてしまう主宰神が存在すると考えていた。」

「<ⅱ>これに対して、ヨーガ学派、後代のコヤーヤ学派などでは、主宰神の存在を認めるが、それは卓越した精神的存在であるというにとどまり、世界や宇宙を創造したり破壊したりする能力はないと考えていた。この点では、西洋の有神論者とはかなり相違する。」

「<ⅲ>さらに、唯物論者たち、仏教、ジャイナ教、ミーマーンサー学派、初期のサーンキャ学派などでは、最高主宰神の存在を認めなかった。唯物論者たちはいかなる神々の存在をも否認した。仏教、ジャイナ教、ミーマーンサー学派などは、多数の神々の存在することは承認していたが、宇宙や世界を支配する主宰神を認めなかった。」

<ⅱ>のヨーガ派は有神論的サーンキャと呼ばれていて、初期のサーンキャ学派とは神観が異なりますが、サンキャ・ヨーガ派として両派が結びついた時に、双方で影響し合うことになりました。その結果、ヨーガスートラに於いては最高主宰神を、「宇宙を支配する機能を持たない存在」として定義していますが、註釈家ヴィヤーサ(紀元500年頃)は「最高神には宇宙を支配する機能がある」(P99)と考えて論じていますので、そうした流れが徐々に浸透し、「9世紀頃にはヨーガ行者たちは根本原質の運動は主宰神に導かれ、支配されていると考えていた。」(P99)とのことです。


ヨーガスートラは紀元5世紀頃に編纂されたものですから、註釈家ヴィヤーサの解釈はほとんど同時代ということになります。これは従来のヨーガ派の思想と共に、ウパニシャッドやヴェーダーンタ学派の影響も受けているように想われますが、それが後世になって様々な矛盾を生むことになります。
 


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