2026-06-19 著者:小山一夫
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昔書いた日記からいくつかアップします。
2003-6-1
未完の美しさ-2 佐川先生
『 しかし、人間はつくづく一生修業だと思う。この年(九十歳) になっても合気で「ああ、こういうことか」とふっと気づくことがある。そして、どうしてこんな簡単なことに気づかなかったのだろうと思う。だから合気にしても、私の気づいていないことはいくらでもある。やはり、人間だから不完全だし、むしろ分からないことの方が合気に限っても多いのだろう。とても完全なんていうことはあり得ないのだ。人間である以上、いくらやったって知らないことが必ずあるのだから何とかしてそれを見つけていかなければならないでしょう。これでよいと思ったら、その人はそこで止まってしまう。』(「透明な力」木村達雄著P64より)
道を極めることの難しさと厳しさを示唆する素晴らしい言葉だと思う。
実際、これで完成だなどと思うのはどんな世界でも慢心・自信過剰に違いない。
ヨーガの世界でも私自身中々思うところに届かないのが逆に励みになっているくらいだ。
この本のあとがきで、前林清和氏(神戸大学助教授)が次の様に述べている。
『先生は、よく「世の中に完全と言うことはない。私もまだ完全ではない。これで完全だと思った時点でその人間は終わりだ」と言われる。このような内容の話は他にも見られるが、先生が言われるからこそ重みのある言葉である。先生の技、言葉すべてが人間の叡智と努力の象徴のような気がする。私には到底及ばない世界であるが、真の武術というものを、また人間の可能性といぅものを先生にお会いし御指導して頂くことによって再認識することができた。また、自分なりに新しい世界観、人生観がみえてきたような気がする。』(同書P227より)
確かに佐川先生が「私も完全ではない」とおっしゃるくらいだから、合気の極致と言うものがどれほど深いか、想像する事すら出来ないが、20世紀最高の武術家のひとりである先生は後に続く人たちの道標として、流派を超えた偉大な存在になっているのは間違いないだろう。