2026-07-31 著者:小山一夫
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昔書いた日記からいくつかアップします。
第2期 晋・隋・唐時代
第2期は貴族社会といわれる256年から960年頃迄の期間である。
この時期、思想面では老荘思想や仏教的な厭世的・現実逃避的なムードに支配され、医学の分野でも学術整理のみで治療技術に関しては殆ど進歩がなかった。
一方、西洋においてもキリスト教思想が倫理と論理の両面を統一した為に学問の停滞を避けられなかった。医術も主として僧侶によってキリスト教の教義に基いて施された為に、ペスト等の試練を通しても治療技術の発展は滞っていた。
中国においては、倫理観が儒教哲学により、また論理が陰陽哲学の元に統一された。陰陽哲学それ自体は、宗教性よりも自然科学的な色彩が強い為に、その自然科学的精神によるアプローチは、多少の無理はあったとしても、医学を始めとする各種の学問の発展に貢献した。
論理の基礎的な背景となる思想や哲学が学問や技術の発展に大きな影響力を持っているのは当然のことであろう。しかしこの時期の社会的な状況は学術の発展の面で明らかにマイナスに働いている。結果として中国においては、前述したようにこの時期は学術整理と純粋理論の進歩以外に際立った功績はみられない。
この期間中国医学は病候、薬物、診断の分野で純粋理論的な功績があったものの総じて抽象的な理論に走り、特に方剤学について言えば、実践医学としての治療技術の面では殆ど進歩しなかった。ただ、理療医学(特に針灸)と養生医学については、貴族達と貧しい人達の両者によって一応の発展を見ている。
貴族の健康と不老長寿への追求願望から養生医学が発展し、経済的に苦しい階級層が針灸に代表される理療医学を発展させた。