一般財団法人 野萩青少年育成財団

気功はガンを治せるのか?

先行公開・2026年10月11日

第2回 前書き(2/2)

本書では、気功を手術、薬物療法、放射線治療などの代替として位置づけない。必要な検査や標準治療を避ける理由にも用いない。その上で、気功にガンそのものを直接「治す力」は確認できなくても、治療を受ける人の身体活動、睡眠、疲労、生活機能、心理状態などを支える可能性が残されているのかを検討する。ここでいう「治る力」とは、未知の自然治癒エネルギーを意味するものではなく、治療や回復を支える複数の身体的・心理的・生活上の条件をまとめた便宜的な表現である。

安易な希望を与えることは避けたい。しかし、「何もできることはない」とする必要もない。古典を神格化せず、現代医学を敵にせず、体験談を証拠と混同せず、それでも残る身体技法の価値を検討する。それが、本書の基本姿勢である。

郭林気功については、郭林著・侯広霊編纂・澤田正訳『新気功療法によるガンの予防と治療』と、余鳳翔著『郭林気功と鶴翔桩』を具体的な検討の中心に置く。前者は治療理論、練功原則、功法、症例をまとめた資料であり、後者は日本の読者に動作を写真で伝えた実技書である。両書の記述を照合すると、郭林気功は一つの呼吸法や歩き方に還元できないことが分かる。同時に、病気を治すという強い主張と、患者の生活を支える実践とは、資料の中でも分けて読む必要がある。

本書で原典の練習時間、呼吸の配分、病名別の功法を説明するのは、その体系を理解するためである。それらを現在のガン患者に一律に勧める実技処方として提示するものではない。本文の参照表示「郭林」「余」は上記二書を指し、ページは原書の印刷ページによる。詳しい書誌と主要な参照箇所は巻末に示す。

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