東洋文庫「ミリンダ王の問い」(平凡社)という本があります。
全3 冊の長編ですが、副題に”インドとギリシャの対決”とある様に内容的にも大変面白く、とても勉強になりました。
翻訳はかの中村元先生です。
インドに侵攻したギリシャの帝王メナンドロス(ミリンダ王)が、仏教僧ナーガセーナと教理について対決し最後に仏教に帰依するという物語ですがインド的思惟がギリシャ的思惟と正面からぶつかり合います。
ここでひとつの説話をご紹介します。
(第6章第8「智慧の所在」より)
「王は問う、
『尊者ナーガセーナよ、智慧はどこにありますか?』
『大王よ、どこにもありません』
『尊者ナーガセーナよ、それでは智慧は実在しないのですか?』
『大王よ、風はどこにありますか?』
『尊者よ、どこにもありません』
『大王よ、それでは風は実在しないのですか?』
『もっともです、尊者ナーガセーナよ』」