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「炬」おしゃべり 出世と成功-1

著者:若月佑孔 / 元ブログ投稿日:2023-11-26

 

私の始終若い人にいふ言葉がある。
 

「鍛は三年 錬は十年ですよ」と、この言葉はまだ十八、九の頃 四極流の体術の師 武田䧺四郎先生から云はれた言葉で膽に徹して居る言葉である。以来、私の心の隅に常にささやく言葉は「鍛は三年、錬は十年」 其の十九の頃 弓道をも習ひに行きました。師範の先生が「矢数一萬本射たらお免状を上げませふ」と云つてくれた。「射ればいいんでせふ、一萬本をね‼︎」とむきになって気張って終ひました。
 

御存知の様に 弓場では礼射と云って四本の矢を持って、四本を射尽すと 安土まで行って 的から矢を取って来る、又射る、百矢を射るのに、二十五回往復します、一生けんめい真剣にやったら、一日の稽古はこれで充分な程疲れます。さて一日百本なら一年で三千六百五十本、矢張り三年カナ、それでも一萬本でせふ、一萬本をね で初めました。朝早く行って安土に的を掛け、夕方的が見えなくなるまで、遂々八ヶ月で一萬射をしました。師範はあきれかへり、私はお免状を獲得しました。
 

只、それだけ、考へてみると 三年間と云ふ時間の経過が必要だったのです その三年間の日時の中に、いろいろの物事にふれ、自然に覚え込む何かが有った筈です。


八ヶ月の精進は確かに「立派な腕前」と人にほめられましたが、肝腎の「何かが」不足して居ました。
 

弓道の精神的なものを掴んでいなかったのではないでせふか、その故か、それ以来 妙に弓と縁が切れています。
 

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