ある、立派な母様が嘆きました。家の伜は何故あんな娘が好きなのでせう、と、
その息子さんは、自分の性命的な感覚でその娘さんを好くのなら、何とも仕方ないのです。お父様が子供も俺の様にと期待して、何億の財産を残しても、子供はお父様の様に四斗樽ではない、せいぜい一升樽程の性命なら、三斗九升は這入らないでこぼして終ひます。
子供に「百」を期待しても子供の性命が「十」なら、如何に学間を、財産を「百」にして與へても活用するのは只の「十」だけなのです、これに反して、父親の才能が「二十」でも、子供は「三百」の人もあります、自分の特殊な強い性命力をさへ發揮さへすれば「千」にも「二千」にもなります。
