俺は、わがままだ、自らも認めて、精一ぱい駄々をこね、滅茶を云って暮してゐる、
自動車を運転して来る、客がある、変なブーブーだね、これ動くの?と云ふ調子なんだから、お客がびっくりしてあきれる、でも易だけ確かなら良いだろ、易者だもの、この本職だけ確かなら、人は信じてくれる、そして、集まって、和やかな一つのグループも出来ると云ふものである。
どんなに私が君子振って説教したって、易がニセモノなら、人は来てくれない。
「先生、道楽しても良いですか」と危險なことを聞く奴がある、とんでもないヤツメ、俺も其の調子に乗ってて、「ヤレヤレ、道樂は大いにやるべし、どうせやるなら、中途半端じや面白くない。酒を呑むなら、ケツメドから出るまで呑め、競輪競馬も大いに結好。道樂といふものは、大体、女房子供まで質に置いてやらなければ本当の味が出ない、大いに徹底してやること、どうせやるなら、大道樂さ、然し、自分の商賣だけ仕事だけはしっかりとやっておきなさい」
大概、これで黙って終ふ、ザマ見ろ、仕事や商賣を完全にやろうとしたら、道樂などやってゐる暇なんかあるもんか。
