本当に、結婚は低い低い門を背をかがめて、潜る様なものだ、低いけれども門は何時でも開いて居るものである。貴女達は二号にもなれないとは斯ふ言う意味さ。
二号さんは、大概花柳界の芸者さんか、水商賣の人がなる。此の人達は、若し好きな人、旦那さんが出来ても、又、別れるにしてもあっさりしてゐるからね。男はチヨイとヨロメイテも安心なのさ。
後くされが無いから、男は斯う云う安心の女性にヨロメキたがる。ところが貴女達はどうだ、手を握ったから、將来どうしてくれるだろうがと條件を先に考へる。ヨロメイて終ったら、もうおしまいさ。奥さんを追ひ出して、私を本妻にしろ、妾ではいやだ。若し別れると言うなら斯うしろ、あつしろ、なんだ。私の処に鑑定に来る中で一番きたないのはそれだ、素人娘、又は人妻が自分からもヨロメイて行ったくせに、「彼」の愛情を疑る。誘惑されたなんて言ひ張る、男ってみんなそんなものかと、此の先生にまで喰ってかかる、誘惑なんて云ひ張るが、都々逸にもあるじやないか、”油断みせたは私だけれど、手出したのはお主から”チヤンと、白状して居る、
助平野郎だって、女の方がシヤンとして居れば決して、先に手を出すものではない。それだのに、人權だ!!慰謝料だと、とんでもない高額を考へてる、出来もしない、取れもしないのに、ヨロメイたら最後、さあどこまでも自分の位置の確保、否男の本城を乗っ取ろう。さて、それが駄目なら、金を取ってやれ取ってやれ、の主義だ、水商賣の者には、これがない、あっさりしてゐる。”ただの後が高いよ”とね。
