「よろめき」も、男から女へのよろめき掛けだけではない。世の中の不安は、世の中の不安定は、「よろめき」と云ふ言葉で端的に現はして居る。
よろめきは中途はんぱではないか、ブッ倒れるまで行ったらどうだ。危くなったらスグ立場を守ろうとする、そして、「理性なんざます」自分だけ安定した立場に居て、ぬかるみにチョイト足を入れてみたいんだ。
どの位い辛いのかトンガラシをなめて見る程度の要求なのだ、これがよろめきの心理的基本である。だから、安定の基本を侵されそうになると逃げる。
ところがその安定と云う立場が不安定のくせに、それしがみ付き乍らよろめきたがる。
中途はんぱ×、覚悟してぬかるみを歩きなさいよ。そして、徹底的によろめいて転んで終ったらいいじやないか、
それが出来なかったら、いっそ動かぬこと。昔は未亡人と言うのがあった。不幸な事、不幸な人の代名詞みたいだった。戰争未亡人と言うと威張ってた。今、こんな言葉は流行しない。結婚してすぐ未亡人になりたがってゐるのが隨分居る。よろめき具合が悪るいんで、別なよろめきを仕度いらしい。こんな女性が多くなってね、どんどん性の倫理も変って来てゐる。
