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「俺はこう思う」 木遣り-2

著者:若月佑孔 / 元ブログ投稿日:2025-05-22

 

軍隊の浴場を思ひ出させる、が軍隊の浴場は週番司令の下に入浴当番が出るから、靜謐なものである。カンゴクの入浴みたいだがね、「力士」と言うものがある、俺の云う「力士」とは大人物や聖業の人の傍で警護を威嚴を付ける人物である。その大きな躯と、どっしりした態度でその中心人物を荘嚴するものであると。此の第一人者は仁王様だ。彼は力士の最たるもの、美くしい巨躯をもって、自ら警護者としての誇りを持って居る。


又、過去の大名、戰國時代の武將もみな、自分の側近に力の強い巨強の人物を配したのである。


支那の古るい粘土細工に「隣国の使者」と云うのがあった。上品な美くしい青年の傍に付き隨ふ容貇巨大な壮士四人の姿は、如何にも威風堂々として、隣国よりの使者らしいものであった。目の前に居る奴等は角力取りだ、「力士」ではない。


俺も最初は、左右に四五十人、それぞれ甲胃に身を固めさせてズラリと並べたら、此等に四尺五尺の大だんびらを持たせて切り捲くらせる、なんて戰國武將のやうな夢を考へて楽しんだが、段々見てゐる中に一人も気に入るのが無くなると同時に、今のケチケチした世の中もいやになって終うた。
 

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