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「片片草」 一筆啓上仕り候

著者:若月佑孔 / 元ブログ投稿日:2025-06-12

 

この片片草は、俺はこう思うに引継いでの第三巻です。
ペンペン草とは妙な題でせう。壊れた屋敷跡にペンペン草と云ひます、又、ペンペン草の赤ん坊は春の七草粥の大切な一人なんです、セリ、ナヅナ、ゴキヨウ。ハコベラ。ホトケノザ。スズナ、スズシロ。のナヅナの事です。これが大人になると三味線草、ペンペン草と厭やがられる。


何かの植物誌で見たのだけれど、大根の優良種の種子を取る栽培の畠では四百メートル四方のペンペン草を抜き取って終はねばならぬ、そうしないと、ペンペン草の花粉が大根の花に交配されて、その新種は大根の祖先がヘリ、原種になって終って、その種子は蒔いても薹が立ち、ガチガチの大根になる。大根とペンペン草とは同じ祖先のものなんだとか。ペンペン草はこんなに悪るい奴なんです。
私の文もこんな悪るい奴なんだろうか、それは皆様に讀んで頂いてからのこと。


昭和三十七年 七月 十日
若月 佑孔 誌
 

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