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「片片草」 乞食の唄-4

著者:若月佑孔 / 元ブログ投稿日:2025-08-27

 

トシジ何の事が判らないが、聞き覚えで云っただけだ、全く名言だろ、此処、両国に引越して来たら、「安さん」と云う乞食が居た、五十才位いかな、垢とテンピでピカピカ光った面だ、相当年期のはいった乞食だろ、角がとれて、物柔らかい、何時も一切合戝背中に縛り付けて歩るいてる、これが何故かヒヨッとした事で俺の家に来る様になった、雨が降ると、「玄関の戸を開けて、「ワカツキサン、今日は雨で何んにも上りがありません、十円でも下さい」大きな泣き声だ、面倒くさいから、ホイとやってゐたら、二粒も雨が降ると早速やってくる、”


お客様と應対して居たり、卦の鑑定中で黙って返事しないと、ワカツキサンワカツキサンワカツキサン、何べんでも、立って行くまで呼ぶんだ、お客様がびっくりして、「先生のお友達ですか?」じようだんじやない。クソタレメ!!
その中、小母チヤンが怒って安さんを怒鳴り付けてから来なくなった。

沼津にコロッケ屋さんがある、中住町の靜かな屋敷町の眞中だ、此処のオヤジ、金鑛山の社長だったが失敗すると、全戝産を賣り拂って社員に分配して解散、自分は、素人の腕にヨリをかけてコロッケ屋を始めた。

コロッケを賣ってそれからどうする!!と云うと、ウン?又、コロッケを作るさ!!兎に角「変物」だ、客が来ないと、上りカマチに腰かけて、薩摩ビワをベロンベロンベロン、”それ達人は〜達觀す〜”とやってゐる。


ヌッと這入って来た大男、「俺はコジキだ、何かくれ!!」流石のコロッケ社長も唖然として声が出なかったと。俺もそんな乞食に逢ってみたい。


桃の花の咲いた靜かな屋敷町をのしのし歩るいて行ったろう。
犬も歩るけば棒に当るで、三日やったら、何とかなるものである。クヨクヨ考へたってどう仕様もない。考へずにやってみましようよ、乞食がいて二日やったらやめられないと唄う、兎に角考へ付いたことは實行、三日だけでもやって見ませう、但し、よろめきは、二日でやめませう。
 

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